高校時代、大学に進学すれば、きっと今までとは違う生活が待っていると思っていました。
実際に大学生になると、念願だった一人暮らしが始まり、友人にも恵まれ、それなりに充実した4年間を過ごすことができました。
しかし、卒業が近づくにつれて、就職氷河期という厳しい現実に直面することになります。
今回は、そんな大学時代を振り返ってみたいと思います。
夢にまで見た一人暮らしが始まった
高校卒業後、私は地元の公立大学に進学しました。
当時は学部が1つ、学科が2つしかない小さな大学で、学生数も高校に毛が生えた程度。
世間一般でイメージするような、規模の大きな大学とは少し違っていました。
ただ、大学は実家から通える場所にはなかったため、念願だった一人暮らしが始まることになりました。
中学・高校と退屈な毎日を過ごしてきた私にとって、ようやく新しい生活が始まるという期待がありました。
大学生になったからには、今度こそ充実した学生生活を送りたい。
そんな思いから、まずはサークルに入ってみることにしました。
大学デビューを目指したものの……
中学・高校と6年間ずっと帰宅部だった私にとって、サークル活動は初めての経験でした。
しかし、入ってみると、どうにも居心地が悪い。
先輩・後輩の上下関係や暗黙のルールがよく分からないうえに、飲み会のノリにもついていけませんでした。
当時は、飲み会で一気飲みをするような文化も残っていた時代です。
私にはそうした空気がまったく合わず、楽しいどころか、ストレスにしか感じられませんでした。
結局、サークルはすぐに辞めてしまいました。
せっかく大学生になったのだから、これまでの自分を変えてみたい。
そんな気持ちはあったものの、いざ行動してみると、なかなか思うようにはいかないものです。
結局、思い描いていたような「大学デビュー」は、勇気も出せず実現しませんでした。
それでも大学に行って良かったと思う理由
サークル活動は長続きしませんでしたが、大学生活には良かったこともありました。
その一つが、友人関係です。
大学の立地もあってか、学生の9割以上が一人暮らしをしていたと記憶しています。
私の周囲にも、初めて親元を離れて生活する学生が多く、同じような境遇だったこともあって、友達は比較的すぐにできました。
面白いことに、すぐに辞めてしまったサークルで知り合った友人たちとも、その後4年間にわたって付き合いが続きました。
大学は小規模で、周囲も田舎だったため、一般的に想像される華やかな大学生活とは違っていたかもしれません。
それでも、今振り返ると、大学には行って良かったと思っています。
特に大きかったのは、一人暮らしを経験できたことです。
実家にいた頃の私は、家のことをほとんど何もせず、家事もまともにできませんでした。
しかし、一人暮らしとなれば、そうはいきません。
食事の準備も、洗濯も、掃除も、自分でやらなければ生活が成り立たない。
最初から何でもできたわけではありませんが、日々の生活を通して、少しずつ身についたことも多かったと思います。
大学デビューには失敗したものの、自分なりに成長できた4年間でした。
就職氷河期という現実
そんな大学生活も終わりに近づき、いよいよ卒業後の進路を考える時期がやってきました。
しかし、私たちの世代が就職活動を迎えた頃には、後に「就職氷河期」と呼ばれる厳しい時代に入っていました。
当時の就職活動は、今とはずいぶん違っていました。
リクルートなどから企業の採用情報が掲載された分厚い冊子が送られてきて、それを見ながら応募先を探すという方法が一般的でした。
今のように、インターネットで簡単に企業を検索し、応募できる時代ではありません。
私自身、インターネットを使った経験といえば、大学の図書室にあるパソコンを触った程度でした。
そもそも、私には将来の明確な夢や、どうしても就きたい職業があったわけではありません。
父親がサラリーマンだったこともあり、自分もどこかの会社に就職して、そのまま定年まで勤める。
漠然と、そんな人生を思い描いていました。
ところが、実際に送られてきた求人情報を見てみると、現実は想像していたものとは違いました。
小売業や消費者金融などの求人は目につくものの、普段の生活で名前を知っているような企業の募集は、私が見る限りほとんどありませんでした。
応募できそうな企業があったとしても、採用倍率は非常に高いと感じていました。
もちろん、小売業や消費者金融の仕事が悪いというわけではありません。
ただ、当時の私は、自分の性格を考えると、そうした仕事に就いても長続きしないのではないかと思っていました。
アルバイトならできるかもしれない。
でも、正社員として長く働く自分の姿は、どうしても想像できませんでした。
就職活動をせず、大学を卒業することに
求人情報を見れば見るほど、自分が希望を持って働けるような仕事に就くことは難しいのではないか。
そんな思いが強くなっていきました。
もちろん、実際に就職活動をしてみなければ、結果は分かりません。
それでも当時の私は、厳しい就職環境を前に、挑戦する気持ちよりも諦めの気持ちが勝ってしまったのです。
将来に対する不安がなかったわけではありません。
むしろ、この先どうやって生きていけばいいのか、はっきりとした見通しも持てずにいました。
それでも、興味を持てない仕事に無理に就職したところで、長く続けられるとは思えませんでした。
結局、私は就職活動そのものをしないという選択をしました。
今振り返れば、もっと行動してみるべきだったのかもしれません。
たとえ希望する企業に就職できなかったとしても、実際に挑戦してみることで、何か違う道が開けていた可能性もあります。
就職活動をしなかったことについては、今でも後悔が残っています。
しかし、当時の私には、厳しい現実を前にして、前向きに行動するだけの気持ちの余裕がありませんでした。
こうして、就職先が決まらないまま大学を卒業することになりました。
当然ながら、働かなければ生活していくことはできません。
一人暮らしを続ける余裕もなかったため、卒業後は一旦、実家に戻ることにしました。
大学生活では自由を手に入れ、自分なりに成長できたと思っていました。
しかし、社会に出る段階で、私は最初の大きな壁にぶつかることになったのです。
そして、ここから長いフリーター生活が始まることになります。
次回は、大学卒業後の20代、フリーターとして過ごした日々を振り返ってみたいと思います。

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